安楽死について考える事

今回は重いテーマなので、画像は省きます。

安楽死

獣医師が医師に許されていない、最大で唯一の特権です。

最近、縦続けに2件安楽死をする機会がありました。

どちらも老齢の犬でしたが、一人は痴ほうの症状が出て、飼い続けられないという高齢者の方で、もう一人は老齢犬ながらもきちんと歩け、しゃきっとした感じですが、夜鳴きをするという中年の方でした。

前者の方は、もうどうしようもないかなーって感じでした。もちろん、検査、治療を勧めましたが、飼い主さん的に拒否されますし、状況的にも限界に近いのかなーって感じましたので、やむなく行いました。

後者の方、見た目的には全然大丈夫そうです。ただ、KCSがひどく身にも明らかな潰瘍があったりと治療などはいっさい受けてない状態です。何度も、これは安楽死をする状態では絶対ない、と伝えました。しかし、受け入れよう、治療してあげようという気配は見えません。しかも、夜泣くので毎晩犬を叩いてる、でも、鳴き止まない、また叩くを延々繰り返しているそうです。

これを聞いた瞬間、怒りを覚えましたが、この人にはもう無理だとも思いました。

この人に飼い続けられて、苦痛を死ぬまで与えられるのであれば、まだ安楽死してあげた方が本人は楽になると判断しました。

この飼い主の方、アメリカなら間違いなく検挙されます。フロリダなどは暑い日中に犬を外につないでいただけで、飼い主としての責務を果たしておらず、虐待していると警察に捕まります。それはたとえ13歳の未成年であってもです。

日本でも動物愛護法が改正されましたがまだまだ、徹底されておらず、罰則も不十分です。

安楽死はする側にとっても、したくないです。

でも、しなかったらどうするのか。

ほかの病院へ行ってくれればまだいいでしょう。

それすらしなかったら、、、

保健所へ処分するために連れて行くのではないでしょうか。

でも、最近は飼い主の身勝手で安楽死をする場合は、保健所も拒否します。

それではどうするか、、、

自分で殺そうとするか、餓死させるか、山に捨てるのか、考えたくない状況が訪れるのではないでしょうか?

実際、以前言われた事があります。

「お前がこの猫を安楽死しないのなら、金槌で殴り殺してやる』

この人は頭がおかしいと思いますし、じゃ、なぜ飼ってるんだろう、飼わなければいいのにと思いますが、考えてるだけでは解決しません。

私は安楽死を積極的には勧めません。でも、安楽死の方が、その先の未来よりも救いなのではないかと考える時はやる事があります。

もっと、日本の動物愛護の環境が変わる事を切に願います。

日本ブログ村に参加しております(*^_^*)
記事を読んでいただけましたら、バナーをクリックお願いします↓

にほんブログ村 その他ペットブログ 動物病院・獣医へ
にほんブログ村

唐津のかがみ動物病院トップページ

犬・猫の一般診療から専門外来まで、ペットの幸せな暮らしを一生を通してサポートします。